自計化について

2012/05/01 10:54

今日は自計化についてお話ししたいと思います。

自計化とはズバリ「会計ソフトを使って、自分でデータ入力を行うこと」です。

本文でも述べましたが、会計ソフトへの入力自体はそれほど難しい作業ではなく、パソコンをさわったことがあるかたなら、どなたでも対応できると思います。会計ソフトへの入力ができてしまえば、自動的に「複式簿記に基づく適正な帳簿」ができてしまうのがいまどきの経理作業なのです。

自計化の一番のメリットは、自分でお金の流れが管理できること。 今のソフトはどの売上がどれだけあるのか、どの経費にどれだけ使っているのかがボタンひとつですぐわかります。 自分が儲かっているのか、赤字なのかもすぐわかります。 

私は、事業を営むかたはこれくらいのことは税理士を使わなくてもいつでもわかっているべきだと思うのです。 もちろん、事業主ご本人が入力する必要はありません。 奥様などのご家族でもいいですし、経理担当の方でも結構です。 そのことによって、会計事務所に支払う経費も抑えることが可能になるのが第二のメリットでもあります。

自計化ができた上で、赤字をどう回復するのか。 黒字の場合のタックスプランニングはどうするのか。その先の決算や申告業務でそして将来の経営戦略について腕を振るうのが税理士の仕事だと思っています。

確かに会計事務所からすると、「自計化」してもらわないほうがビジネス的にはおいしいとは思います。 今までの会計事務所業界は、このビジネスモデルで利益を生み出してきたともいえると思います。 毎月職員をお客様に訪問させて、資料を預かり、事務所にもって帰って入力。 一ヵ月後に入力データから作成した試算表をもって訪問。 このパターンで毎月数万円の報酬をいただき、決算料は月額顧問料のンヶ月分。

もちろん、この方法でもお客様が良いのであればいいと思います。 うちの事務所にもこういうお客様はまだまだいらっしゃいますし。 ただ、この方法でのデメリットは①自分の経営状況が会計事務所が試算表をもってくるまでわからない。②そもそも経理全般が会計事務所まかせなので、自分の財務状況・経営状況に対する意識が高まってこない。③会計事務所も職員の作業に対するコストを回収しなければならないので、顧問料も高額になる。の3点になると思います。

比較的規模の大きい会社さんで、資金的にも余裕があるならこの方法を踏襲してもいいと思います。うちの事務所でも記帳代行もお引き受けすることもあります。でも、規模も小さく資金に余裕の無い事業主様は、ぜひ自計化をご検討してください。 

自計化する場合のソフトですが、世間一般に出回っているものであれば何でもかまいません。

うちのお客様で、自計化した後でお付き合いが始まったお客様では、「弥生会計」が一番多いです。 でも、弥生はわれわれのようなプロなら使いこなせる機能がたくさんあるのですが、ごく小規模のお客様であればオーバースペックな印象を受けます。 毎年更新があるのもメンドーですね。 別にお客様が申告書を作成するわけではないので、毎年更新なんていらないと思っています。

あと、うちでは「会計王」とか、「JDL」ユーザーのお客様がいらっしゃるので対応実績あります。

で、一番最後になってしまいましたが、実は私が一番お薦めするのが、タテムラさんの「自計塾」というソフト。

これが一番シンプルです。 いい点は①なにしろ「シロート」向けの記帳ソフト。 難しい機能一切無し。簿記がわからなくても帳面ができてしまいます。 難しいことはできないけれど、簡単なことだけビシっとできます。 キーボードだけで入力がほぼ成り立つのも魅力です。 ②年度ごとの更新一切無し。 一度購入すればそれっきり(約5万円) ③インストールにはタテムラの技術員と私(か職員)が立ち会ってお客様のパソコンにインストールし、操作方法の講習します。(もちろん無料です) その後もわからないことがあれば、牧事務所までご連絡いただければ丁寧にご説明いたします。 一般の会計ソフトみたいに、全部自分でマニュアル読んで勉強しなくてもいいんです。 コールセンターに電話してつながらないなんてことも心配いりません。  「自計塾」、牧事務所では約30社(個人、法人あわせて)でお使いいただいています。 私自身の帳簿もこれを使っています。 小規模の事業者にはベストなソフトです。

長々と書いてしまいましたが、最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。